紅葉の季節ですね。
万葉集の時代は、黄葉を歌うことが多かったものの、百人一首では黄葉より紅葉を詠んだ歌の方が多いらしいです。万葉集の時代は中国の影響が強かったとか、西日本には楓がすくなかったとか、いろんな背景が考えられるものの、はっきりした理由はわからないそうです。
寒くなってきたので、先週ストーブを出しました。今日は朝から小豆を煮たので、焼き芋を焼いて、芋ぜんざいにします。
あずき色という色の歴史を調べたら、使われるようになったのは江戸時代だと書いてありましたので意外で驚きました。もっと昔から染料として使っていただろうに。
あずきで染めたらピンクになりますが、ピンクは平安時代も江戸時代も「誰でも身につけてよい色」だったため、商家のお嬢さんも、農家のお嬢さんも、茶屋のお嬢さんも、みーんなピンクの着物を着て歩き回ってたわけです。
江戸時代になると、庶民は藍・茶・鼠色しか着てはいけないルールになるのですが、桜鼠色とか梅鼠色とか、なんだかんだ云いながら結構ピンクに近い色も、許容範囲として使われていました。(四十八茶百鼠)
多分ですが、色を抽出する材料費のコストを考えると、赤と違いピンクは安上がりなもので、割と簡単に染められるし、しかも身近にあるもので可能だったので、幅広く誰でも使える色だったからだと思います。ですからして、呉服屋さんも染料屋さんもピンクに関しては薄利多売だったんじゃないか?と勝手に想像しています。
ピンクは、松ぼっくりとか、どんぐり、柿、紫蘇とか、材料が身近にあるもので可能だけど、赤はそうはゆかないです。
朱色は、硫黄と水銀が入った赤土(辰砂、別名で赤色硫化水銀とも呼ぶ)で染めたもの。材料が高価。
赤は茜(あかね)で染めたもの、濃淡で三段階あり、最も濃いものを「緋色」と呼びます。
紅は紅花(べにばな)で染めたもの。濃淡で三段階あり、最も濃いものを「からくれない」と呼びます。
赤が何色を指すのかは時代によって移り変わるものの、江戸時代になる頃には、赤といえば緋色のことを指すようになったそうです。
とはいえ、紅が日本に入ってきたのは五世紀以降の話だそうで、それまでの日本では、赤の基本は朱色。
神社の鳥居の色ですね。
鳥居の朱色は、硫黄と水銀が入った赤土からなる天然の顔料(辰砂、別名で赤色硫化水銀とも呼ぶ)を元にした丹塗りというものになるのですが、日本では弥生時代から原料として使われていて、紅花よりも歴史が深いです。
理科が苦手だった私には・・・顔料の配合の話はちんぷんかんぷんですが、色の話は奥が深くて時間を忘れるくらい楽しいです。
なんであれ、自然の発色って美しいです。
Written by Takako Taniguchi