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卯年、事始め。

《謹賀新年》明けましておめでとうございます、本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。今日から仕事初めです。今年はうさぎ年ですね。

うさぎの事を調べていたら、かつての日本では、うさぎを飼うと兎税という税金を払う必要があったと知って、びっくりしました。

日本の昔ばなしでは、タヌキや狐は「人を騙す迷惑モノ」として描かれることが多いのに対し、うさぎは知恵があって利口。親しみが持てる動物という描き方をされる事が多い気がします。多産であることから豊穣と繁栄のシンボルとされることも。

月の兎(ジャータカ/仏典)に登場するうさぎも、献身的で優しい。
太宰治のかちかち山(御伽草子)のうさぎは、若くて純朴な美少女。

可愛いな〜 うさちゃん!

おばあさんを助け、タヌキを成敗し、
十五夜お月さま見て跳ねる、健気で美しい子。
人気が出るの当たり前ですわ。

100年前の日本では、空前のうさぎブーム

今から100年前。明治の日本で空前のうさぎブームが巻き起こったそうです。

毛並みや特徴が少しづつ違う可愛いうさぎの姿が、富裕層の所有欲を刺激し、うさぎ人気が上昇。そこへ投機家が参入し、うさぎを資産価値のある投機の対象として祭り上げました。結果、うさぎの価格がありえない程上昇し、取引トラブルで殺人事件まで起きたのだとか。

当時の東京は、浮かれたうさぎバブルを収拾するために、うさぎ税を導入することに。(うさぎの売買一羽につき、月額1円/現在の価値で5000円ぐらい)

結果、税の導入がきっかけでバブルが弾け、余ったうさぎが放置されてしまうという、悲しい運命を辿ることになったそうです(泣)

なんだか・・・どこかで見たことがあるような。

現在もペットブームの影で起きる飼育放棄など、人間の都合で動物が振り回されてしまう問題はありますよね。どうも人は、同じ過ちを何度も繰り返しているような気がしてならないです。

ちょうどその頃に描かれた、うさぎの絵があります。

目が赤いですね、何うさぎかしら?

うさぎバブルでブームになったうさぎは、アナウサギだそうです。

原産地はスペインイベリア半島で日本に渡来したのは室町時代。目が赤いのはアルビノ種で、こちらも江戸時代頃には、上陸していたそうです。

ヨーロッパでは中世の頃から家畜として飼われていたものの、愛玩動物としての歴史は16世紀ごろからだそう。ペットとして品種改良されたものが、日本に続々と入ってきたのは明治時代。

ということですので、浅野梅堂の白兎図に描かれているうさぎは、アナウサギのアルビノである可能性が高そうですね、多分ですが。

白兎図 浅野梅堂
引用/文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/490905

それにしても、うさちゃんて、時速60キロで走るのね、よく家畜化できましたよね〜

目が赤いうさぎと云えば・・・因幡のしろうさぎも目が赤いイメージがありませんか?

でも、時代が合いませんね。

因幡のしろうさぎは、日本在来種の野うさぎ

調べてみたら、古事記に登場する因幡のしろうさぎ(稲羽之素菟)は日本在来種の野うさぎでした。

ニホンノウサギといい、耳の先が黒く、夏は茶色の毛並みです。冬は冬毛で白くなるものの、真っ白にはならず、黒い瞳です。

そう、目は赤くないんです。


勘違いしてたなー

因幡の白うさぎの目は赤くありません。(大事な事なので2回書きました)

この物語のしろうさぎは、最後に大国主神(おおくにぬし)が八上比売(やかみひめ)と結婚できることを予言するという、なんとも神秘的な存在です。

日本最古のイラストレーションといわれる鳥獣戯画に描かれているうさぎも、ニホンノウサギと思われます。(耳の先が黒いから)本阿弥光悦の扇面月兎画賛もニホンノウサギ。

鳥獣人物戯画(一部) 引用/高山寺ホームページ
https://capture.dropbox.com/vAn1WyfsnxC7D3pu

ディズニーが描いた不思議の国のアリスの白うさぎは目が赤いですね。アリスを異世界へ導くうさぎ。アナウサギのアルビノなのかも知れませんね。


(実際には、モデルとなったのは、オックスフォード大学の医学部教授なんだそうですよ)

うさぎ追いしかの山。

忘れがたい故郷を思い出させてくれる、うさぎ。

不思議な世界へも連れていってくれる、うさぎ。

おばあさんを助け、タヌキを成敗し、

神秘的な予言をして、十五夜お月さま見て跳ねて、

美しく健気に時速60キロで走るうさちゃん。

今年は、私もうさぎのように、華麗なる跳躍をしたいと思います。



本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

道具たちも今日から仕事初め。お正月休みから目覚めてもらいます。
私の相棒、ステッドラー3兄弟です。大事なものなのでのし袋を折っていれました。

《参考文献》

月の兎
https://jodo.or.jp/newspaper/special/2317/

うさぎバブル
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウサギバブル

明治の日本を熱狂させた「ウサギバブル」に学ぶ投機の恐ろしさ
https://business.nikkei.com/atcl/plus/00008/062800002/

赤田光男著「ウサギの日本文化史」
https://www.amazon.co.jp/ウサギの日本文化史-SEKAISHISO-SEMINAR-赤田-光男/dp/4790706451

アナウサギの日本飼育史(日本絵画でたどる)桜井富士朗
http://jsvh.umin.jp/archives/pdf/53/053024031.pdf

変わりダネの税(答え)|税の歴史クイズ|税務大学校 – 国税庁
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/quiz/1904/answer.htm

菟神 國學院大學/神名データベース
http://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/usagigami/ 

鳥獣人物戯画 高山寺
https://kosanji.com/chojujinbutsugiga/

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