新緑の5月。
お天気が良い日は、新芽が鮮やかで気持ちがいいですね。芽吹きのライトグリーンがすごく綺麗です。
新緑を由来とする色の名前は沢山ありまして、「若草色」「若苗色」「若竹色」「若芽色」などがそれです。
緑の中で明るく輝く、鮮やかな新芽の黄色を表現した「萌黄色」というのもあります。萌は草木が芽吹くという意味。
平安時代「貞丈雑記」という書籍の中で,『最近の若い人は、萌木の事を萌黄と書いたりしちゃって、間違ってる』というくだりがあります。
萌黄色とは、木々に新緑が芽吹く様子を表現してるので、本来は「萌木」が正解だったのでしょうが、いつの間にか「萌黄」と記されるようになった色です。この雑記は、ちょうど、その過渡期にあたる頃の記録なのでしょうね。
ちなみに紫式部は、萌黄派でした。国宝の紫式部日記に何箇所か記述が出てくるそうです。
最近、司馬遼太郎を古典といい「ムズイうざい」と表現する若い女性に出会いました。
言葉とは人が生まれてから死ぬまでの一世代で、随分変わるものですよね。こういうところは平安時代も現代も同じなのかもしれません。
参考文献 / 新版 かさねの色目 長崎盛輝
貞丈雑記 文化遺産オンライン