ビジュアル・トーン(Visual Identity)
パーソナルブランディングにおいて、メッセージやストーリーはブランドの魂を言語化したものですよね。今度は、その言葉たちを元に、ターゲットにどんな印象を与えたいのか「見た目のデザイン」について考えていきましょう。
言葉に頼らない訴求力、ブランドの「印象」を一貫させるデザイン戦略。
WEBサイト、SNSのプロフィール写真、名刺、そして話し方や服装といった非言語コミュニケーションが、ブランドのビジュアル・トーンを構成します。この要素が一貫させる事で、訴求したいメッセージの信頼性をより高めてくれるようにする事がデザイン戦略です。
STEP1. ビジュアル・トーンの定義、人は見た目で一瞬の判断を下す
ビジュアル・トーンとは、色、フォント、写真、レイアウト、そして文体・話し方を通じて一貫した印象を与える戦略です。
たとえば・・・
- 信頼性を示したい時は・・・ 専門的で真面目な印象を与える青や黒の配色。
- 親しみやすさを示したい時は・・・ 明るい色使いや、親しみやすい言葉遣い。
- 革新性を示したい時は・・・モノクロやミニマルなデザイン、最先端のフォントを使うなど。
視覚や聴覚を通じてブランドの個性(ペルソナ)を表現します。
2. ビジュアルを構成する3つの核
ビジュアル・トーンを設計する際、以下の3つの核となる要素を【1】自己理解や【4】ターゲット設定と紐付けて決定します。
- カラーパレット(配色): ブランドの感情や価値観を象徴するメインカラーとサブカラーを決定します。例:安心感を伝える緑、情熱を伝える赤、専門性を伝える紺。
- フォントとスタイル: 使用するフォントや写真のトーン(明るさ、コントラスト)を統一します。例:クラシックなフォントは信頼感を、モダンなフォントは先進性を表現します。
- トーン&マナー(態度・調子): 文章の話し方(ですます調か、言い切りか)、SNSでの言葉遣い、顧客との接し方といった、ブランドの振る舞いを定めます。
これらの要素を統一することで、顧客はあなたが発信する情報に触れるたびに、無意識のうちに「ブランドらしさ、あなたらしさ」を感じ取ってくれるようになります。
3. 一貫性こそが最大の戦略
どうしても言語情報より非言語情報の方が、相手に与えるインパクトは強くなります。本当はすごく美味しい唐揚げなのに、WEBサイトやSNSの写真写りがイマイチだったら・・・
顧客は美味しいよという言葉より、写真の方を信用してしまうのです。
ビジュアル・トーンの最大の目的は、全ての接触点(タッチポイント)での一貫性を確保すること。
- 名刺、WEBサイト、SNSヘッダー
- プレゼンテーション資料
- 広告や会社概要、イベント会場の雰囲気
見落としがちですが、あなたの服装や身だしなみもビジュアル要素に含まれますよ。
印象をデザインし、プロフェッショナルに磨きをかけましょう
今日から、ご自身のパーソナルブランドが「プロフェッショナルとして一貫しているか?」という視点で、ご自身のオンライン・オフラインでの見た目や振る舞いをチェックし、戦略的にデザインし直しましょう。
世界観・トーンを言語化する20の質問
《 雰囲気(トーン & ムード)を掘り下げる質問 》
・ブランドの空気感を一言で表すと?(例:静か・軽い・凛とした)
・逆に「絶対に避けたい雰囲気」はどんな感じですか?
・どんな光(柔らかい光・逆光・夕陽・硬い光)が似合いますか?
・温度感で例えると?(暖かい/ひんやり/ニュートラル)
・音楽のジャンルで例えると?(ローファイ/クラシック/ポップなど)
《 世界観の方向性をつかむ質問 》
・あなたのブランドを映画のジャンルに例えると何になりますか?
・その映画の予告編を観たとき、どんな気分になりますか?
・あなたのブランドを動物に例えると?(雰囲気・振る舞い)
・色に例えるとどんな色ですか?グラデーションでもOKです
・なぜその色を選びましたか?
《 視覚記号・象徴性を深める質問 》
・ブランドを象徴するモチーフを選ぶとしたら?(花・図形・自然・道具など)
・そのモチーフはどんな意味を持っていますか?
・好きなフォントの特徴は?(細い/太い/丸い/エレガント/ミニマルなど)
・あなたのブランドを象徴するアイコンを1つ作るなら、どんな形?
・写真で表現するなら、「どんな瞬間」がブランドらしいですか?
《 スタイル(Style)を明確にする質問 》
・視覚的に理想とするブランドや世界観の参考例は?
・その中で特に惹かれるのはどんな要素ですか?(光/構図/色/余白)
・ミニマル〜装飾的のどの位置にいたいですか?
・現在のあなたのデザイン・SNS・発信の中で「一番自分らしいと思うビジュアル」はどれですか?
・自分のビジュアルコンセプトを単語で表すなら?
《 言葉の定義について 》パーソナルブランディングとセルフブランディングの違い
英語圏に於いて、個人としてのブランドを確立するという意味で、広く浸透しているのは「パーソナルブランディング」の方だと思います。
最初に使ったのは、米国の経営コンサルタント、トム・ピーターズ氏であるとされていますが、古参の日本人デザイナーにとって馴染みがあるのは、ピーター・モントヤ氏の著書「パーソナルブランディング」ではないでしょうか。
その後日本では、佐々木 俊尚氏の著作「ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術」が発行され、セルフブランディングという言葉が一気に広がりました。
日本では、どちらかといえば「セルフブランディング」の方が検索されているようです。組織に所属していれば、パーソナルブランディングで、所属していなければセルフブランディングであるという説が登場したりもしていますが・・・
セルフブランディングという単語は、和製英語に近しい存在ですし、両単語に明確な区別は無いと思います。
ここでは、「パーソナルブランディング」の方を主として使っていきますが、セルフブランディングもほぼ同義語であるものとして扱ってゆこうと思います。
1997年 トム・ピーターズ氏発表の論文「The Brand Called You」
https://tompeters.com/brand-you-25th-anniversary/
2005年 ピーター・モントヤ氏の著書「パーソナルブランディング」
https://amzn.to/48Y6xot
2010年 佐々木 俊尚氏の著作「ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術」
https://amzn.to/44iSLu9
