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書体の種類と歴史(和文編)

日本語の書体(和文)は、結構種類が多くて『ゴシック』『丸ゴシック』『明朝』『楷書』『行書』『篆書』『草書』『隷書』『宋朝体』『タイポス書体』に『ファンテール書体』『ユニバーサルデザイン書体』『手書き書体』そして、普通のデザイン書体などなど・・・区分すると、14種類ほどあります。(細かく分類するともっとあるかも)

文字は単なる記号ではなく、その時代の技術や美意識を映し出す鏡です。紀元前の石碑から、現代のデジタルデバイスまで。歴史の古い順に、それぞれの個性を以下に解説致します。

篆書体(てんしょたい)

【起源:紀元前/漢字の始祖】 紀元前221年、秦の始皇帝が中国統一の際、文字を統一するために制定した小篆が原型です。漢字の中では最も古く、原型に近い書体です。幾何学的で左右対称に近い構造を持ち、一見して読み取るのが難しいため、権威や唯一無二の存在感を強調します。現代では実印や通貨など、不変性が求められる場面で今も活用されています。

デザイン的には、歴史の重みや格式をデザインに落とし込みたい時、印章的なシンボルが欲しい時などに採用される事が多いです。

隷書体(れいしょたい)

【起源:漢時代】 篆書を簡略化し事務効率を高めるために生まれた古字体です。左右に波打つような独特の筆跡「波磔(はたく)」と横に長い横長のフォルムが特徴です。別名で、八分隷・八分・分書とも呼ばれます。前漢前期に篆書から隷書への移行が進みました。

デザイン的には、クラシカルな印象。 お札の文字や新聞の題字にも使われるこの書体は、独特のどっしりとした安定感と、どこか懐かしい「和のレトロ感」を演出します。力強さと知性を兼ね備えており、店舗の暖簾(のれん)や看板など、重厚な信頼感と個性を同時に表現したい場面で非常に効果的です。

草書体

【起源:後漢時代〜】 中国の秦・漢時代、隷書を速書きするために生まれた書体です。文字の骨格を曲線のみで構成したようなのが特徴です。初期の「章草」から、芸術的に洗練された「今草」へ発展しました。唐代にはさらに崩した書体「狂草」が生まれ、日本のひらがなの起源にもなりました。 

速く書くための崩しであった為、石に刻む為というより紙に書くためとして広まったそうです。可読性(読みやすさ)よりも、書き手の感情や「空気感」を重視したい場合に適しています。和歌の表現や伝統芸能、独創的なタイトルデザインにおいて、言葉の意味を超えた「美意識」や「情緒」をダイレクトに伝える、グラフィカルでアーティスティックな力を秘めた文字だと思います。

行書体

【起源:後漢時代〜】 行書もまた、隷書を速く書きたいという需要から生まれた書体です。草書が極端に崩すのに対し、行書は可読性を保ちつつ適度に省略しています。楷書(かいしょ)と草書(そうしょ)の中間的な位置づけです。日本では江戸時代の公文書に使われ、寺子屋でも教えられました。 

デザイン的には、楷書体よりも柔らかく、かつ優雅な印象を与えるため、料亭の品書きや日本酒のラベルなどに最適です。書き手の個性が現れやすい書体です。

楷書体

【起源:唐時代〜】隷書に代わって、南北朝から隋・唐にかけて標準となった書体です。草書・行書の次に生まれたとされています。現代の日本でも、公文書はじめ学校や社会でこの書体が標準となっています。

唐の時代に始まっていますが、楷書書体が洗練されたのは、宋の時代です。明の時代になって、宋の時代に印刷された本に使用された楷書体を、もっと印刷しやすくもっと読みやすく改良された書体が明朝体です。

デザイン的には、賞状や招待状、和風のロゴなど、あらゆる場面で活用されているスタンダードな書体です。崩しがないため読みやすく、正統派の美しさがあります。

宋朝体(そうちょうたい)

【起源:10世紀・宋時代/印刷の原型】 中国・宋の時代(960-1279年)に、木版印刷用として彫刻刀で彫りやすいように楷書を様式化した印刷書体です。近現代において活版印刷に用いられている印刷書体。中国では仿宋体(ほうそうたい)と呼びます。

縦長のフォルムで、縦線が太く、横線が細いのが特徴です。

書籍の装丁や高級化粧品のパッケージなど、繊細さと凛々しさを両立させたいデザインに最適です。伝統的でありながら、どこかアヴァンギャルドな印象も与える、工芸的な美しさが宿っています。明朝体の原形。

明朝体

【起源:16世紀・明時代〜】 宋朝体の字形を元に、日本で確立された活字書体。

宋朝体をベースに、横書きに適応させ、正方形に収まるように改良されました。横線が特に細く、線の終わりに「うろこ」(三角形のアクセント)が付くのが最大の特徴です。

日本語の横書きに対応させ、長文でも目が疲れにくいという機能性を備えています。高級感、伝統、知的さを表現するのに最適です。

ゴシック体

【起源:19世紀後半〜】 日本語のゴシック体とは縦横の太さが均等に見えるようデザインされた和文書体の事を指します。欧文書体で「Gothic」は「ローマン書体以外」という意味になる為に、日本語と意味が異なりますから注意が必要です。英語ではゴシックと云うと、中世のブラックレターの事を指します。中国語でゴシック体は「黑体」と呼びます。

和文ゴシック体は、見出し(強調)としての目的で生まれた書体です。明治・大正期の大手活字メーカーだった東京築地活版製造所が1891年に製造した活字「五號ゴチック形」が最古とされています。戦前は本文で使われることはほぼありませんでしたが、戦後、本文でも使われるようになり、現代では、Webサイトの本文から大きな掲示物まで、あらゆる媒体で最も多用される書体となりました。

デザイン的には、装飾を削ぎ落とした均一な線幅の為、視認性が非常に高く、現代的なスピード感を演出するモダンな書体です。

丸ゴシック体

【起源:20世紀初頭〜】 活字としての登場は1900年頃ですが、普及するようになった実質的な源流は、写研の石井中丸ゴシック体と考えられています。1973年に登場したナールは看板、字幕、広告、鉄道標識、道路標識などに幅広く利用されました。

ゴシック体の視認性はそのままに、角を丸めることで柔和な印象を与えます。教育、介護、食品といった、安心感や温もりが求められるデザインに最適です。緊張感を和らげ、ユーザーとの心理的距離を縮める効果があるため、キャッチコピーに使えば「語りかけるような」ポジティブなコミュニケーションを可能にする、優しさに溢れた書体です。

写研 / https://sha-ken.co.jp/
石井中丸ゴシック / https://morisawafonts.com/fonts/998/
ナール / https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/13381

ファンテール書体

【起源:20世紀中盤〜】 通常の書体は縦線が太く、横線が細いものですが、この書体はその逆です。「縦が細く、横が太い」ユニークな書体。英語ではリバース・コントラスト書体(Reverse-contrast)と呼びます。ファンテールという名前が日本で定着したのは、欧文書体「Fantail」に由来するのだそうです。

昭和レトロな広告や映画看板のようなノスタルジーを感じさせつつ、現代のデザインでは「違和感による注目」を集める効果があります。ロゴやアイキャッチに採用することで、唯一無二の個性と遊び心を演出し、見る人の記憶に深く刻み込むスパイスのような役割を果たします。昔の任天堂のロゴで採用されていました。

Fantail / https://fontmeme.com/jfont/fantail-font

タイポス書体

【起源:1960年代〜/デザイン革命】 ウロコのない日本語書体のことで、明朝体とゴシック体の中間に当たります。1960年代に「文字をデザインする」という革新的な概念で生まれたモダンフォントの先駆け的存在です。1969年に写研から発売された「タイポス」が始まり。

幾何学的な構成とモダンなフォルムが融合した書体です。従来のゴシックや明朝の枠に捉われない、自由で軽快なリズムが特徴です。雑誌のタイトルや広告、ポップなブランディングにおいて、新しさや都会的なセンス、楽しさを表現するのに最適な、色褪せないモダンフォントです。

タイポスの活用で著名なものは、1970年に創刊された雑誌「an・an」の本文使用された例や、黒柳徹子さん著『窓ぎわのトットちゃん』(講談社/1981年)で本文を「タイポス66」で組まれた例などがあります。

https://news.mynavi.jp/article/font-history-18

手書き書体

起源:現代 1980年代以降】PCの普及発展と共に、PostScriptやTrueTypeといったアウトラインフォント技術が登場。手書き文字の特徴をデジタルデータとして再現し、フォントとして生成することが可能になりました。

ペン、筆、マジックなど、人の手によって書かれた筆跡をベースにした書体です。整いすぎない不揃いさが「自分だけに向けられたメッセージ」のような親密さを生み出します。オーガニックな製品、居酒屋カフェのメニュー、パーソナルなブログなど、共感や温もり、ナチュラルデザインなど、あらゆる場面で活躍しています。

デザイン書体(装飾書体)

【起源:現代 1980年代以降】 DTP技術の発展と同時に「モトヤ」など日本の企業が電算植字や文字のデジタル化に貢献し、その後、アスキー(ASCII)のSusan KareによるMacintoshのビットマップフォント設計など、デザイナーが美学を反映させる形で発展し、現代の多彩なデジタルフォントの世界が広がってきました。

現在では、最も個性があり表現力豊かな書体群となっています。制約に縛られない自由な造形は、文字の世界観を無限に広げてくれます。またフォントはデジタル資産という側面でも発展してきました。

ユニバーサルデザイン(UD)書体

【起源:21世紀〜】 パナソニックとイワタが2004年から共同開発を始め、2006年に世界初の市販UDフォント「イワタUDフォント」が誕生したのが始まりです。

「誰にとっても読みやすく、見間違えない」ことを追求した、最も現代的な機能美を持つ書体で、高齢者や弱視の方にも配慮し、文字の空間を広く取るなどの科学的な設計が施されています。

全ての人に等しく情報を届けたい、デザインの優しい挑戦。 公共のサインや薬の説明書、WebのUIデザインなど、多様な人々が利用するプラットフォームにおいて、情報のバリアフリーを実現するためのデザインのインフラとして活用が進んでいます。

パーソナルブランディング

自分を知り伝え方を整えることは、AI時代を生きる個人やクリエイターにとって必携の技術。 「自分の見せ方」を学ぶことは、自己理解でもあり、未来の選択肢を広げる行動でもあります。 この研究会では、ノウハウを学ぶだけでなく、仲間と一緒に試行錯誤しながら、自分らしいブランディングを育てていきます。

Branding

企画と制作の流れ

制作は リサーチとデザインと実装。リサーチや企画といった 情報を取り扱う工程。 そして、それを元にデザインする工程。デザインしたものを実装する工程。 中でも企画検討といった部分は上流工程と呼ばれ、独立して扱われることもあります。WEBサイトを作る際の思考法やブランディングのために必要なこと。知っておいて欲しい制作の知識や受発注の心得などをまとめました。

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