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色の不思議

さて、ここまで言葉と画像の関係についてお話してきましたが、ここからは、デザインの基本要素の話に突入していきたいと思います。最初は色です。

色は、人が外の世界から受け取る非言語情報のうちの一つ

色は、人が外の世界から受け取る非言語情報のうちの一つです。光の波長を視覚で捉えたものを情報として処理しているものですから、紫外線や赤外線以外の、色として認識することができる波長は、光がなければ見ることができません。(※2)

ですから、赤色を別の言い方で表現すれば「波長が長い光」となり、青色は「波長が短い光」と言い換えることができます。

ですが、ただの波長というにしては、色というのは不思議なパワーがあると思いませんか?

左の写真は、ピカソが56歳の時に、スペイン政府から依頼されて描いた「ゲルニカ」です。レプリカの壁画なのでセピア調に見えますが、もともとはモノトーンの油彩です。

ピカソは後のインタビューで「なぜ、色を使わなかったのか?」という質問に対して、「色は救いを表すから」と答えたという有名な話があります。

救いようの無い世界は色も褪せる世界。

ピカソは、戦争という救いようの無い世界を表現する為に、一切、色を使いませんでした。映画タイタニックでは、タイタニック号が出港する場面だけ、色が使われずセピア調で表現されていました。
確かに、色があると何かそこに希望の芽吹きがあるような気になりますよね。色に本当にそんなパワーがあるのでしょうか?そうだとすると、写真を構成する要素の中で、色は大きなウエイトを占めていますので、写真を選ぶ上で色はとても重要なファクターになるはずです。

恋をすると「バラ色の世界」
憂鬱な月曜日は「ブルーマンデー」
驚いたら眼を「白黒」させて
中途半端なものは「グレー」
悪どい事を考えてる人は「腹黒」
何もやましい事が無ければ「潔白」

日本語にも色を使った言葉や表現が沢山ありますね。

色と光の研究


色と光の研究について、簡単に流れを俯瞰して見てみましょう。

実は色彩の研究が始まったのは非常に古く、紀元前4世紀頃。アリストテレスの弟子たち逍遥派が書いた「色について」という著書が始まりなのだそうです。

ルネサンス期にはダヴィンチ等の画家達が色の研究を行い、18世紀にはニュートンがプリズムを使った物理的な実験報告「光彩」を発表。しかしニュートンの「粒子説」では、「光とは何か」という疑問に答えられませんでした。

光が粒子だとすると、光が障害物の後ろにも伝わる現象(回折)や、光が重なると強めあったり弱めあったりする現象(干渉)のしくみをうまく説明できなかったのです。

このニュートンの報告をゲーテが猛烈に批判し、自身の「色彩論」で色の生理的作用や感覚的な作用に注目しました。これにより、色が人にどのような影響を与えるかに注目した、色彩心理学の基盤を作ったとされています。

20世紀初めにアインシュタイン(1879-1955)は、光の粒子である「光子(フォトン)」を提唱し、「光の粒子説」を復活させました。現代物理学では、「光は粒子と波動の両方の性質を持つ」と考えられています。

色が担う役割


これまでのイメージに関する連載で、ビジュアルはとても大事だということがよくわかりました。

写真を選ぶにしても海の写真を選ぶと全体的に青っぽくなるでしょうし、森の写真を選べば緑っぽくなりますし、花火の時の写真だと空は暗いので黒っぽい写真になりがちだと思いますね。

写真を選ぶという事は色を選んでいるにも等しい行為と言えると思いますですからまず最初に色についての役割を考えていきたいと思います。

色彩心理というのは、色が人間の感情や行にどのような影響を与えるかについて研究する分野です。先ほどもお話した通り、古くはゲーテの「色彩論」まで遡る事ができます。

色の役割は、様々あると思いますが、今回は、色彩検定で採用されているものをご紹介いたします。

色彩検定では、「美しい心地いい」「イメージ」「 象徴」「 統一」「 区別」「見やすさの調節・判別」「 アピール」の7種類を掲げています。

美的快適

美味しそう・綺麗・清々しい。楽しそう・暖かそう・安らげそう

イメージ効果

定番を演出・記憶の再生・個性的な演出。春らしいとか、クリスマスと云えば、バレンタインと云えば〜など定番のイベントや皆が思い描く暗黙知を想起させる効果。

象徴

シンボルマークや国旗、ロゴタイプなどのように、色で判断やメッセージ伝達速度を上げる効果。

統一

制服やユニフォームのように、帰属している団体を人目で理解できるようにする効果があります。

区別

路線図やフロアマップのように、色分けを行ったり、同じグループをまとめたりする効果。

判別

見やすくしたり、逆に隠したりする効果

アピール

強調したり強い印象を残したいというアピール効果。

色として認識することができる波長は、光がなければ見ることができません。(※2)

WEBの企画と制作の流れ

WEB制作は リサーチとデザインと実装。リサーチや企画といった 情報を取り扱う工程。 そして、それを元にデザインする工程。デザインしたものを実装する工程。 中でも企画検討といった部分は上流工程と呼ばれ、独立して扱われることもあります。WEBサイトを作る際の思考法やブランディングのために必要なこと。知っておいて欲しい制作の知識や受発注の心得などをまとめました。

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