たとえば、ターゲットユーザーのデータが、以下のようなデータだけだったとしたら・・・
《デモグラフィック》40代 / 女性 / 既婚 / 小学生の娘が一人 / 世帯年収 500万 / 職業パート主婦 / アパレル勤務
自社の商品やサービスが衣食住に直結している商品ならともかく、そうでない場合、自分のサービスを選んでくれている場面、悩んでいる場面、迷った結果購入してくれている場面などなどを、活用してくれありありと思い浮かべるのが難しいケースもあると思います。
これだけのデータだと、ユーザーはどんな悩みを抱えているのか、自分達がどう解決に導けるのか、紐づくキーワードが少なすぎますね。
上のデータに加えて、下のデータも一緒にあればどうでしょうか?
《サイコグラフィック》最近疲れが溜まりやすい / 運動不足かもしれないのが気がかり / 運動は苦手 / 体を動かしたいが家でやることが沢山ある / 家でストレッチやヨガをするのは好き / 激しい運動には興味が無い / 知らない人と一緒に過ごすのは苦手 / 健康よりおしゃれにお金を使う事が多い
なんとなく、ユーザー像をイメージし易くなったと思いませんか?
ユーザーの内面に注目するのがサイコグラフィック
サイコグラフィックとは、ユーザーの心理的な要因から起こされるデータの事です。心理的変数とも呼ばれます。基本的にはユーザーの意見からしか、拾うことはできません。
近年はAI技術の発展でデータ化される事も多いものの、未だに定量化が難しいデータですので、取得するにはアンケートやインタビューなどを開催する必要があります。
Google Analyticsを分析し、水面下にあるユーザーのニーズを探ろうというのも、サイコグラフィックデータ取得の試みの一つだと思います。
潜在ニーズを掘り起こすのに使われます。
情報収集の方法
インタビュー | 直接、顧客と対話する方法。 深い内面の話が聞けるチャンスがある反面、 時間とコストがかかる。 分母数を増やすのが困難。 |
アンケート | 予め準備した質問を ユーザーに答えてもらう方法。 分母を増やすのが容易である反面、 単純な質問ばかりになりがち。 |
SNSから コメントを拾う | ユーザーが悩みがちな項目について SNSで話題になっているか検索し、 コメントされていれば、 それを拾ってゆく方法。 コメントの内容がクレームや バズにつながるもの(興味付け)が 多くなる傾向があり。 |
Google検索などで 記事から意見を拾う | ユーザーが悩みがちな項目について 検索し、Blog記事になっていれば、 コメントされていれば、 それを拾ってゆく方法。 |
キーワード分析ツールを 活用する | Googleサジェストやキーワードツール等 |
どの方法にも一長一短があります。
人は自分が見たいものしか見ないという性質を持つ生き物です。目の前のデータを公平に取り扱うというのは(厳密に云えば)難しいものです。それも踏まえ、多方面から意見を募る努力を忘れないようにしたいものですね。
事前に、何に関する意見を拾いたいのか明確にしておく
やみくもにユーザーの意見を集めても活用できなければ意味がありません。
予め、「何に関する意見を集め」「何を決める判断基準として活用するのか」を明確にしておかなければなりません。
たとえば、「価格帯に関する意見を集め」「商品の値決めの参考にする」といった具合です。
ユーザー意識調査の設問を考える
アンケート調査やインタビュー企画を実施する前に、求めたいユーザーの意見に関する設問をいくつかピックアップし、企画前のリサーチを行いましょう。
いろいろなやり方があると思いますが、今回は「4P分析」の手法を活用することにします。
製品について / Product | 《例》 ・利用したことがあるか? ・欲しい機能は?よく使う機能は? ・どういう点で評価するか? ・どんな場面で使いたいか? |
価格について / Price | 《例》 ・どの程度の価格だと購入しやすいのか? ・月額制の場合の理想的な価格帯は? ・高すぎて買えないと感じるのは幾らから? ・格安だと思うのは幾らから? ・安すぎて心配だと思うのは幾ら? |
流通について / Place | 《例》 ・よく行くお店は? ・コンビニは利用するか? ・語学やキャリアアップにどのくらい遣うか ・外食や趣味にどのくらい遣いますか ・1回の旅行で使う費用は? |
プロモーションについて / Promotion | 《例》 ・サービスや商品の情報収集を行うのはどこ? ・どんなSMSをよく見るか? ・どんな雑誌をよく読むか? ・友人から情報を得るか?どこから? ・よく利用する通販サイトは? |
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記事は2024年8月現在のものです。