集客や販売の戦略に欠かせない目標設定の指標に、「KGI・KPI」そして「CSF」というものがあります。上手く活用すれば、効率よくPDCAを回せ、目標達成のための進捗確認にも役立つ指標です。基本的な設定方法をご紹介いたしますので、ぜひ、積極的に活用していきましょう。
まずは、目的と目標を把握しよう
目的と目標は似ているようで、違うものですよね。
「こうありたいと思う目指す姿」が目的、いわばゴールだとすれば、目標はその為に達成すべき事と捉えてよいと思います。
目的は、ゴール。目指すべき姿
目標は、ゴールへ辿り着く為に成すべき事。(ここでは数値目標を設定する前提で話を進めます)
目標には最終と中間がある
「KGI・KPI」の設定においては、KGIはゴール地点における、最終目標を数字で表したもの、KPIはその中間目標とされます。
トレイルランニングやトライアスロンのレース途中にあるチェックポイントをイメージしてみてください。チェックポイントはゴールまでのルートに数か所あり、通過した人数やタイムを計測していると思います。
KGIは、最終目標を数字で表したものですから、『完走できた人数』や『完走タイムの目標』など。
KPIは、中間目標を数字で表したものですから、『通過予定の人数』や『通過タイムの目標』など。
目標達成までのプロセスを可視化しよう!
実際にWEBサイトの運用中に起こりえそうな事例を元にプロセスを考えてみましょう。
例えば、インスタグラムに訪問してくれたユーザー(1,000名)を通販サイトへ誘導し、商品を購入してもらいたいとして。
活動の目的は「(商品を購入してもらい)利益を拡大させる」こと。
最終目標は「具体的な販売額や、累計販売個数」など。
中間目標は「通販サイトへどのくらい誘導できたのか」になると思います。
ですから【目標】は、
インスタグラムから通販サイトへ500人誘導し、その内100名には新しくメルマガ登録してもらい、10名に商品を購入してもらう。最終的な販売目標を50万。
と設定したとしましょう。
実際に運用してみた結果【現実】は、
通販サイトへの誘導実績が200名、新規メルマガ読者が40名、購入者が1名だったとします。現実は甘くありませんね・・・この場合、KGI達成率は10%だった事になります。
わかり易くイラストと表で再現してみました。
通販へ誘導する人数(KPI) | 新規メルマガ登録者数(KPI) | 購入者数(KPI) | 販売額(KGI) |
500/1,000名|50%の予定 | 100/1,000名|10%の予定 | 10/1,000名 | 50万円 |
実際に誘導した人数(実績) | 新規メルマガ登録者数(実績) | 購入者数(実績) | 販売額(実績) |
200/1,000名|結果は20% | 10/1,000名|結果は1% | 1/1,000名 | 5万円 |
KGI達成率は10%でした
目標を達成する上で、成功の秘訣となる要素「CSF」
目標が達成できなかった大きな要因はどこにあったのでしょうか?
おそらくボトルネックになっているのは、新規メルマガ登録者数が伸び悩んだことがボトルネックになったと思われます。ここの数字を改善することが、その後の目標達成に必要な要素となるはずです。
このように「KGIを達成するのに影響を及ぼすと思われる要因」の事を「CSF」と呼びます。
目標達成のためのプロセス可視化ツール「KPIツリー」を作成しよう
最終目標のKGIを達成するために、複数のKPIでロジックツリーを構成したものを、KPIツリーと呼びます。上の例を元にKPIツリーを作成すると、以下の図のようになります。
目標達成が進まない時、販売額が鈍化している時などに、課題を洗い出す作業によく使われます。
KPIツリーの考え方
《1》まずKGIの数値を決めましょう。ECなら「販売額」スクールなら「生徒数」などになります。最終目標を数字で確定してください。
《2》単位を明確にする。KPIとKGIは目標値に対しての達成度を測るためのものですから、必ず数値目標を設定してください。
《3》KGIを達成するために必要な要素を割り出しKPIをとして設定してください。要素は複数あって構いませんが、慣れるまでは2つ程度に。必要な要素はKGIから導き出したものになります。KGIとKPIは必ず関連しているものを置いてください。ECなら「顧客数」と「平均購入単価」など。以下これを繰り返します。
まだKGIとKPIは仮説の段階のため、後はアクションプランを実行し検証する。
KPIツリーで最終目標達成までの流れを把握できたら、後はアクションプランを作成し、行動に移しましょう。あくまでも作成したKPIツリーは仮説ですので、実行に移し、数字を確認するという検証作業が必要です。
KPIツリー記入シート
初めてWEBサイト制作の企画書を作る方でもわかりやすいように、シンプルなKPIツリーの記入シートを作成いたしました。
WEB以外の企画などにも応用できるかもしれません。さまざまな案件にご利用ください。
個人利用あるいはご担当者さまが社内でご活用いただく場合において無料でご利用いただけます。記入方法などについてご相談に応じています。
KGI(ケージーアイ)
「Key Goal Indicator(キーゴールインジケーター)」の略で「重要目標達成指標」と呼ばれます。
KPI(ケーピーアイ)
「Key Performance Indicator」の略で「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」と呼ばれます。
CSF(シーエスエフ)
「Critical Success Factor」の略で「重要成功要因」と呼ばれます。