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なぜか、既視感がある方が選ばれる。

写真は狭野神社(宮崎県)5月の撮影

作業に費やした時間、捌いた数、手掛けた件数など、経験が一定量に達した時。

まるで未来が見えてるかのように、先の展開が読めてしまったり、嫌な予感の的中率がほぼ100%だったり、解決策が秒で出てきたり・・・いわゆるヒューリスティック(蓄積された経験値)による分析が研ぎ澄まされてくる事がありますよね。

スピリチュアルな話では無く、ぶつかり稽古を100回やれば、ぶつかる前にいろいろ予想できるようになるよねという、練習と慣れの話です。

商業デザインの場合、残念ながら、良い事ばかりではありませんで。

ある閾値を超えてくると、世界から既視感の無いものを探すという事が、大変に難しくなってしまいます。

何を作っても「どこかで見た事があるモノばっかり」になってしまいます。

・・・それで、ちょっと冒険したくなるんです。で、失敗する。普段の自分なら絶対にやらないような尖ったデザインに走ってみたり、業界の常識から外れたものを試作してみたり。

しかし、クライアントが選ぶものは、いつも既視感がある方のデザインなんですよ。

見慣れたスタイルに安心感を感じるのは、なにも伝統の世界だけではありません。チラシや名刺やスーパーのポップという、暮らしに溶け込んだ商業デザインの世界にも「既視感がある=安心感=ほっとする」というある一定の集団無意識は成り立っているようです。

型を守ることは、様式美やブランディングに欠かせない姿勢ではありますが、予定調和だけでは飽きられてしまいますから進化はしなければならない。しかし、急激な変化は顧客の混乱を招きますので、小さい変化を徐々に積み上げてゆく選択をする事が多いというのもあると思います。

なので、息の長いブランドって、お客さんが気づかないようなマイクロチェンジを繰り返し、マイナーチェンジを繰り返し、やっとフルモデルチェンジに着手したりするんでしょうね。

ポテトチップスの袋とかポッキーの箱とか、結構変化してるけど、気付きませんもんね。

写真は初代天皇である神武天皇を御祭神とする狭野神社です。参道からみた景色を撮りました。

伝統的な様式美というと神社仏閣建築もそう。

既視感が安心感につながるという、ブランドの本質を突いたような有りようと云えるのかも知れないと思いながら、散歩がてら参拝に行ったのでした。

ここは同じ敷地に、猿田彦神社もあります。

猿田彦は、私の中では、神様だけどチャラ男系。

パーソナルブランディング

自分を知り伝え方を整えることは、AI時代を生きる個人やクリエイターにとって必携の技術。 「自分の見せ方」を学ぶことは、自己理解でもあり、未来の選択肢を広げる行動でもあります。 この研究会では、ノウハウを学ぶだけでなく、仲間と一緒に試行錯誤しながら、自分らしいブランディングを育てていきます。

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