色の見え方

ここでは、色の見え方のお話をしようと思います。

色を感じる細胞を「錐体 ( すいたい ) 細胞」といいます。ヒトの錐体細胞は、 L錐体、M錐体、S錐体の 3種類が存在していて、LとMとSはそれぞれ、ロング・ミディアム・ショートという意味です。いわゆる長い光線に反応するか、短い光線に反応するかによって区別されているんですね。

L錐体	L錐体は長い波長（赤系）に反応
M錐体	M錐体は長い波長（緑系）に反応
S錐体	S錐体は長い波長（青系）に反応

L錐体は長い波長（赤系）に反応し、M錐体は長い波長（緑系）に、S錐体は長い波長（青系）に反応します。L錐体の機能が低い場合、1型色覚（P型色覚）と呼ばれる色覚異常を引き起こす可能性があります。M錐体のの場合、2型色覚（D型色覚）、S錐体のの場合は3型色覚（青色弱）と呼ばれますが、3型色覚の日本人の割合はとても低く、全体の10万人に1人(0.001％）程の割合になります。

タイプ	色弱のタイプ
L錐体の機能が低い場合	1型色覚（P型色覚）赤を判別しづらい
M錐体の機能が低い場合	2型色覚（D型色覚）赤と緑を判別しづらい
S錐体の機能が低い場合	3型色覚（青色弱）青を判別しづらい

先天色覚異常のほとんどは1型・2型色覚です。X染色体の異常で発現するために、女性の割合が低くなっております。以下に人口に対する発現頻度の表を示します。

タイプ	人口に対する発現頻度
1型色覚（P型色覚）・2型色覚（D型色覚）	日本人男性の 20人に1人（5％） （日本人全体で300万人） 日本人女性の500人に1人（0.2％）（日本人全体で12万人）
3型色覚（青色弱）	全体の10万人に1人(0.001％）

世の中には、さまざまな販促物やデザインが溢れていますが、赤と緑が判別できることを前提にしたものも沢山あると思います。しかし実際には、皆が同じ色を見ているとは限らないのです。

錐体細胞の働きが弱い方は常に一定数存在しており、一般とは違う色の見え方をされていらっしゃいます。テーマカラーや、ロゴのデザインを考えるときには、その点を忘れないようにしましょう。

以下に、色弱のユーザーはこんな風に見えているという一覧を作成いたしました。本当は1型色覚（P型色覚）・2型色覚（D型色覚）を厳密に区別すると、色の一覧も多少変わってくるのですが、（第1色盲では可視光領域が長波長側で狭くなりますので、赤色が全体的に暗く見えます）今回は1型と2型のタイプを、ざっと理解してもらうために、平均的な見え方で表を作っております。

すいたい細胞の働きが弱い方・・・常に人口の5%ほど存在していらっしゃいます。

左利きが常に人口の10%程度存在するので、左利きほどではないけれどもその半分位の数が常にいらっしゃり、特に男性に多い。

教科書では人類は三原色が基本だとなっておりますが、実は女性の2%位4原色の方がいらっしゃいます。4種類の錐体細胞（すいたい細胞）を有しているため4色型色覚を持ち、通常人が100万色を視ることができるのに対してその100倍に当たる1億色を視ることができます。

人類はマックスで5種類の錐体細胞を有することができるので、 ひょっとすると5原色って言う方がいらっしゃるのかも知れませんが、人類の眼球の解像度が大体300から350位ですから、いま以上鮮やかなものは眼球の解像度の限界値の関係で、認識できないかも知れません。